【この記事は2009年8月7日に書かれたものを加筆・修正したものです】
目次
南部訛り
昨晩泊まったモーテル8は朝食付きではなかったので食べずに出発。
途中フリーウェイを降りファーストフード店に立ち寄ります。
注文を取りに来た店員さんが何を言ってるか分からない・・・
それに店内で耳に入ってくるお客さんの会話も。
これが南部訛りなのでしょう。
ボストンでアフリカンアメリカン同士が話していたような英語です。
伸ばす音が多く、例えば "I"は「アイ」ではなく「アー」と言っているように聞こえます。
ボストニアン程スピードは速くないのですが、平坦な感じがします。
慣れるまでもうしばらくかかりそうですね。
ルイジアナ州へ
今日は8時間程のロングドライブでした。
ミシシッピ州を南下しているうちに道の両サイドの植生が
少しずつ変わっていく様子が興味深かったです。
これまではいわゆる森だったのが少しずつ湿地に変わり始め
木の葉が徐々に少なくなっていきます。
そして日差しが鋭くなっていきました。
今日1日で腕の日焼けがかなり進行しました。


こちらのフリーウェイには各所に休憩所が点在しています。
そのほとんどににバーベキューの設備があったり
犬の散歩コースがあったりします。
実際犬を連れて歩いている人や肉を焼いている人も多いですよ。
ミシシッピ州を抜けルイジアナ州に入るとそこには驚くべき視界が広がります。
見渡す限りの湿地の中に数十キロに渡る橋が現れます。
その橋はそのまま巨大湖『Lake Pontchartrain』を縦断するように架かっています。
何だかこみ上げてくる物がありました。
日本ではとても考えられないような迫力の景色。
まるで映画『千と千尋の神隠し』で
千がカオナシと電車に乗って水の上を進むシーンです。
そのまま橋を進んで行くとニュー・オーリンズに立つ高層ビルが
陽炎のように姿を現します。
湿地の中にそびえる大都市。

ニュー・オーリンズ
ニュー・オーリンズ市内に到着したのは夕方でした。
そのままダウンタウンと周辺のスラムをドライブ。
メンフィスやナッシュビルとは比べ物にならない程広い街ですが、
ワシントンD.C.の様に分かりやすい区切り方をされているので
迷う事はありませんでした。
散策を終えた後、偶然『バーボン・ストリート』の看板を目にしました。
僕がボストンを出発する前に何人かの友人が
「ニュー・オーリンズに行ったら必ずバーボン・ストリートは見ておくべきだ」
と言っていたのを思い出しました。
早速車を停めストリートを歩いてみる事にします。

メンフィスやナッシュビル同様にストリートの両側にある多くのクラブからは
たくさんの生演奏が聞こえます。
違うのは音楽のジャンルです。
ジャズ・スタンダードを演奏する年配のミュージシャンか
ロック、フュージョンを演奏する若いミュージシャンがほとんどでした。
取りあえず、腹ごなしを兼ねて情報収集をする事にします。
バーボン・ストリートの奥の方にあるシックな雰囲気のレストランに入ります。
そこで店員さんからいろいろなお話を聞きます。
「バーボン・ストリート沿いはスタンダードを演奏するバンドが多いから、
もし面白い音楽が好きならここから3ブロック程先のストリートにある
アンダーグラウンド・ジャズを演奏するクラブを訪ねてみるといいよ」
さらに話はハリケーン・カトリーナの被害にも及びます。
電気が全く繋がらなかったこと。
ガソリンスタンドからはガソリンが無くなってしまったこと。
多くの人が店やビルのガラスを割り、物を持ち去って行ったこと。
カトリーナについて訪ねるのは少し躊躇しましたが
彼がその後のニュー・オーリンズの復興の早さを誇らしげに語っているのを見て
嬉しくなりました。

その後彼の情報通り、クラブをハシゴして様々なジャンルの音楽を楽しみました。
バーボン・ストリートには演奏を聴けるクラブの数と同じくらい
ストリップ・クラブやキャバレーがあります。
いかがわしく感じますが、そのことがこの街をより一層魅力的な物にしているのでしょう。
もしこの辺りで夜遊びをされるのでしたら
周辺には多くの高級ホテルが点在していますので
そこで宿をとり徒歩でバーボン・ストリートに行ってみるのが最も良い方法だと思います。

本日の宿泊施設
本日の宿泊は昨日のモーテルと同系列のスーパー8です。
高級感はありますが価格は格安。
ロビーに無料のコーヒーが置かれているのはかなりポイントが高いですね。
今までも部屋にはコーヒーメーカーがあったのですが、
さすがに疲れ果てて部屋に戻ってコーヒーを作る気分にはなれなかったので。

明日はルイジアナ州を横断し、いよいよ憧れの地テキサス州に入ります。
ヒューストンを経由し第5の目的地ダラスまで進めるのか?
アメリカ横断の旅も後半戦に突入です。
旅の記録
走行時間:8時間
走行距離:440マイル(770 km)
総走行距離:1,973マイル(3,175 km)
今日の1枚
B.B. King『The Jungle』

言わずと知れたブルース界の帝王B.B.King。
昨日メンフィスで聞いたブルースの迫力が脳裏に焼き付いていたので、
無性に聞きたくなりました。
とにかく迫力のある歌に驚かされます。
ブルースの定番であり傑作である思います。
やはりその土地にあった音楽を聴くと感動が増します。
例えば青森の海岸線を歩いていたら三味線の音が聴きたくなると思うんです。