■質問■
ギター歴5年目です。
ライブの曲を覚えたいのですが、本番になると忘れてしまったりします。
才能が無いのかと悲しくなります。
花村さんはどうやって覚えていますか?

今回も頂いたご質問にお答えします。

どんなに練習しても本番で頭の中が真っ白になり、
どうしても忘れてしまうという。
楽器を演奏される方なら誰もが悩むことですね。

目次

■バークリー音楽大学での楽曲の暗記方法

僕がバークリー音楽大学に通っていた時
マスターするのが大変な授業はたくさんありました。

その中でも特にヘビーだった授業が
「Standard Jazz Repertoire」というものです。
簡単に言うとジャズの名曲を覚えて演奏できるようにするクラスです。

このクラスは・・・
1週間に1回、3つの楽曲を覚えて次の授業で発表するというシンプルものです。
ではどのように発表するかというと、
メトロノームを鳴らした状態でクラスメイトの前で
以下の順番で3回演奏します。

1.ベースラインのみ

2.コードのみ

3.メロディーのみ

休憩は入れずに3回通して演奏します。
リズムや出音に1つでもミスがあると演奏を中断して最初からやり直します。
やり直しのチャンスは1回。
やり直した時にミスがあると課題をやったとは見なされません。
さらに中間、期末テストではそれまでに覚えた30曲ほどの楽曲から
3曲ランダムで出題されて先生の前で演奏します。
この時は1度のミスも許されません。

このような緊張を強いられる授業内容でしたが
当時僕は以下の様なテクニックを使ってこのクラスをクリアしました。

■コード進行の覚え方

みなさんはダイアトニック・コードを理解していますか?
例えばKey=Cの時にDm7=IIm7、Fmaj7=IVmaj7になります。

下図を参考にしてみてください。

また、コードには特有の動きがあります。例えばV7はIma7に向かうことが多いとか(終止)

しばしばVIm7に向かうなど(偽終止)。

コードの役割を理解している状態でコードをローマ数字に置き換えることで格段に覚えやすくなります。コード進行はある程度規則性を持って移り変わっていくからです。

■メロディーやソロの覚え方

著名なトロンボーン奏者、ハル・クルックによって書かれた
バークリー音楽大学で使われる教科書に記載されているメロディーの覚え方です。

フレーズごとに分割し、音符の音価を取り除いたもの(音程のみ)をルバートで練習し
音程の移り変わりを理解します。
この時、耳で音を確認しながら練習します。

繰り返し練習して音程を覚えたら、リズムと音価をつけて練習していきます。

僕はこの覚え方にプラスして、必ず演奏されるノートのコードとの関係を理解するようにします。

度数で覚えることでロングノート等を間違えて弾いてしまうリスクは激減します。

■手癖で覚えるのは危険

多くの方が演奏したい楽曲を反復練習し、
手癖として体に覚えさせようします。
反復練習は特定の動作を身につける場合は非常に有効ですが、
暗記する場合には有効とは言えないこともあります。

反復練習は思考をほとんど必要としないので練習の中では比較的ラクなものです。
でも1000回反復練習しても、本番で忘れてしまうのであれば
それは間違った練習の可能性が高いです。

また「もっと多くの楽曲をレパートリーにしたい」
「譜面台を置かないステージ演奏の発注があった」
「ライブ当日にシンガーからキーを下げるように言われた」
「過去に演奏した曲をすぐに思い出したい」
このような場合は、手癖で対応することは非常に難しくなります。

それに手癖は一度演奏を止めると、途中から演奏に戻ることが難しい場合が多いです。

このような理由から「手癖だけで」覚えることは危険です。

■複数の覚え方を駆使する

コード進行、コードとの関係、フレーズ分割そして手癖。
楽曲を複数の視点から捉えることができれば、
万が一1つがダメになっても他のリカバー手段があります。
手癖を忘れても、コード進行を覚えていれば演奏に戻れますし、
コード進行を忘れてもトップノートの音の推移から
アヴェイラブル・ノートを導き出すこともできるのです。

■曲の覚え方のまとめ

どうしても本番で楽曲を忘れてしまう方は
大抵1つの覚え方しか使っていないはずです。
それは手癖であることが多いでしょう。

本番は緊張するし、予想外のトラブルがあったりします。
僕たちは普段からそれらを想定した練習をしなくてはいけません。
今まで手癖だけに頼ってきた方は
これまでと違った楽曲の捉え方をしてみましょう。
きっと覚えることが楽しくなりますよ!


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